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夜、船で眠りながら九州へ。東京九州フェリー子連れ乗船レポ
瀬戸内海に沈む夕陽。デッキからの景色は格別。

夜、船で眠りながら九州へ。東京九州フェリー子連れ乗船レポ

車ごと乗って、寝ている間に九州まで運んでもらう。東京九州フェリーは、横須賀港を深夜に出港して、翌日の夜に北九州・新門司港へ着く「一晩+まる一日」の航路です。

子連れにとって、これは相当に魅力的な移動手段でした。ただ実際に乗ってみると、良かったことと同じくらい「知っておけばよかった」ことがあったというのが正直なところです。1歳5ヶ月の娘と3人で和洋室ステートに乗った記録を、そのまま残しておきます。

※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。紹介しているのは、実際に船内で使ったものだけです。

✔ この記事でわかること

  • 「泊まりながら動く」フェリー移動が、子連れにどう効いたのか
  • 23:45出港・21:00着というダイヤが、子どもの就寝時間とどうぶつかるのか
  • 食堂の営業時間・混雑、客室のテレビ/カーテン/ベッドなど、事前に効く6つの注意点
  • 乗船から下船までの実際のタイムライン(我が家の失敗つき)

「泊まりながら動く」という発明

子連れの長距離移動でいちばんしんどいのは、移動している間、子どもをどこにも解放してあげられないことだと思います。チャイルドシートからは出せない、飛行機・新幹線の座席では立てない。親は泣き声と時計をにらみながら耐えるしかない。 フェリーは、そこが根本的に違いました。船は勝手に進んでくれるのに、こちらは寝ていい。起きたら歩いていい。お風呂に入っていい。「移動時間」が「宿泊時間」に置き換わる——この一点だけで、我が家にとっては乗る価値がありました。 我が家が取ったのは和洋室ステート。ベッドと小上がりスペースが両方あるタイプで、子どもがハイハイしたり寝転がったりできる「床」があるのは、小さい子連れには本当に大きいです。 (7月の金曜日の便、車1台+親子3人で差額部屋代こみで計103,000円でした)

良かったこと3つ

① 休みながら移動できる。 これに尽きます。深夜に乗って、翌朝ふつうに起きて、ごはんを食べて、昼寝をして、お風呂に入って、夕飯を食べたら着いている。移動日を「潰れる日」ではなく「船で過ごす1日」にできたのは、車で同じ距離を走ることを考えると比較になりません。親が交代で運転して疲弊する、という構図そのものが消えます。

② キッズルームと大浴場がある。 子どもが体力を発散できる場所と、大人がちゃんと休める場所が、同じ建物の中に両方ある。これは家族旅行の道中ではほぼありえない環境です。キッズルームは朝いちばんの「まだ食堂が開いていない時間」を救ってくれましたし、大浴場は露天風呂まであって、交代で入るだけで親の消耗がだいぶ回復しました。

東京九州フェリー船内のキッズルーム
キッズルーム。朝いちばんの時間帯を、ここでしのぎました
東京九州フェリー船内のキッズルームで遊ぶ子供の様子
靴を脱いで上がる人工芝のスペースで、リラックスして遊べました
大浴場の脱衣所・ロッカールーム
浴場には潮風を感じられる露天風呂も。夫婦交代で入れるだけで、親の回復がまったく違います

③ 車ごと移動できる。 チャイルドシート、ベビーカー、大量の着替えとおもちゃ、抱っこ紐——子連れの荷物は「減らす」より「積んだまま運ぶ」ほうが現実的です。到着した港からそのまま自分の車で走り出せるので、レンタカーの手続きも、チャイルドシートの再設置もいりません。着いた瞬間から、いつもの車がそのまま使えます。

正直つらかったこと:出港23:55、到着21:00

ここは隠さず書きます。このダイヤは、子どもの就寝時間と真正面からぶつかります。 出港は23:45。ということは、乗船手続きと車両待機のために、22時台にはターミナルにいる必要があります。子どもにとっては「もう寝ている時間」に、車から降ろされ、明るくて騒がしい場所に連れて行かれることになる。 我が家は行きで完全にやらかしました。20:30に夕食とお風呂を済ませて家を出たのですが、20:40にチャイルドシートで大泣き。結局、抱っこ紐でしか落ち着かず、途中で離脱してママと娘は電車で、パパだけ車で横須賀へという分離作戦に切り替えました。合流後も車内待機の間じゅう、外の荷役の照明がまぶしく、子どもは興奮して眠れないまま。乗船口では大泣きで、夏の暑い中、外であやし続けることになりました。

夜の東京九州フェリー横須賀ターミナル
22時台のターミナル。子どもにとっては「起きているはずのない時間」です
乗船を待つ車の中から見た、荷役作業の照明
荷役の照明がとにかく明るい。ここで寝てくれる子は、たぶん少数派です

到着側も同じ構図です。新門司着は21:00。下船して宿に入る頃には22時前後になり、その日は完全にルーティンの就寝時間を諦めることになります。

対策として、我が家が次に乗るならこうします。 ・家を出る前に、お風呂も着替えもオムツも「もう寝るだけ」の状態にしておく(船内での作業を極力ゼロに) ・出発当日の昼寝を、あえて遅め・長めに寄せて、夜のピークをずらす ・乗船待ちの車内は、遮光のためのタオルやサンシェードで窓の光を落とす ・徒歩乗船組はぐずったら大変なので、極力落ち着いた環境(車内など)で過ごし、乗船直前に離脱 ・到着日は、港からできるだけ近い宿を取る(我が家は門司港レトロのホテル。車で20分弱でしたが、この判断は正解でした)

プレミアホテル門司港福岡・門司港

プレミアホテル門司港

プレミアホテル門司港は新門司港(フェリーターミナル)から車で約20分、門司港レトロの中心に立つアイコンホテルです。

今回は海峡デラックスツインに泊まりましたが、関門海峡を望む広いお部屋で、お風呂も広く子供が楽しそうに入浴してくれました。

レストランでは子供向けのハイチェアやコットの提供もあり、周囲にも0歳児連れのご家庭がいらっしゃいました。

9Fには、プレミアフロア宿泊者向けのクラブラウンジもあり、ノンアルコールでも楽しめたため夫婦交代で楽しんできました。

この宿の詳細を見る →

21時間のタイムライン

1日目(乗船まで)
時刻できごと
20:30自宅で夕食・お風呂を済ませて出発
20:40子どもがチャイルドシートで大泣き。ママと子どもは電車移動へ切り替え、パパは車で横須賀駅へ
21:20横須賀駅で合流し、フェリーターミナルへ
21:30-22:50車内で待機。荷役の照明がまぶしく、興奮して眠れず
22:45ママと娘は先に降りて徒歩の乗船口へ。ここで大泣き
23:10乗船
23:25子どもが就寝
23:30パパは車を船内へ
24:00全員就寝
客室の畳で眠る娘
23:25、ようやく就寝。ここまでが本当に長いし辛かった
2日目(船内〜下船)
時刻できごと
6:30客室が明るく、子どもが起床
7:00食堂へ行くも、開くのは8:00。おやつでしのぐ
7:00–8:00キッズルームで時間をつぶす
8:00朝食。うどんが美味しく、子供が喜んで食べる
9:00–12:00客室・キッズルーム・館内散歩でのんびり過ごす
12:00昼食
13:30明るくていつも通りに寝られず泣くが、なんとか昼寝。親も寝落ち
16:303人同時に起床。交代で大浴場へ
19:00食堂へ。混雑で30分待ち
19:30夕食
20:10客室へ戻り、下船準備
20:55車両甲板へ移動
21:25下船
21:45門司港レトロのホテルに到着
22:00全員、泥のように眠る
東京九州フェリー船内レストランの朝食
8:00の朝食。待った甲斐はありました
船内レストラン。子供向けアメニティ
レストランには子供向けのカトラリーがあります。持って行かなくていいのは楽。

乗る前に知っておきたい6つのこと

① 食堂の営業時間は限られている。補食は必須。 朝食は8:00から。子どもが6:30〜7:00に起きて「おなかすいた」となる家庭では、1時間以上をおやつでつながなければいけません。パン、バナナ、ベビーせんべい、いつものカップスープなど、朝ごはんの代わりになるものを必ず持ち込んでください。船内で買える食事は菓子パンなど砂糖が多めのものが多いので、子供用に買い足すことはあまり期待しないほうが安全です。

② 客室のテレビは電波がよく切れる。Starlink+HDMIが効く。 洋上なので、テレビの受信は頻繁に途切れます。「動画で30分だけ静かにしていてほしい」という子連れの生命線が、当てにできません。 救いになったのが、船内で使えるStarlinkのインターネット(1,500円/日)。これと、客室テレビのHDMI入力を組み合わせて、nhk+などをテレビに映しました。いつも家で見ているものがあれば、これを大画面で流せるだけで、何もない時間を少し凌ぐことができます。お気に入りの動画を保存しておけば、それでもokです。

客室のテレビにiPhoneの画面をHDMIで出力している様子
Starlink+HDMIの組み合わせ。船内で最も効いた装備でしたPR使ったテーブル(Anker Nano USB-C & HDMI ケーブル)

我が家が持って行ったのは、Anker Nano USB-C & HDMI ケーブル(1.8m)。これ1本で「iPhoneをテレビに映す」と「iPhoneを充電する」が同時にできるタイプです。 船の客室でこれが効く理由は3つあります。 ・ケーブル1本で完結する。 変換アダプタ+HDMIケーブルの2点構成だと、荷物も増えるし、片方を忘れた時点で計画が全部崩れます。 ・映しながら充電できる(140WのPDパススルー)。 画面ミラーリングはバッテリーの減りが早く、しかも客室のコンセントは限られています。映しっぱなしでも減らないのは、思っていたより大きな安心でした。 (iPhone 14以前はコネクタがLightningなので、このケーブルは使えません。その場合は「Lightning - Digital AVアダプタ」+HDMIケーブルの2点構成になります)

③ 夕食どきの食堂は混む。30分待ちもある。 我が家は19:00に行って30分待ちでした。「おなかが空いてから行く」は避けてください。 子どもは待てません。少し早めの時間に動くか、待っている間につまめるものを持って並ぶのが現実的です。

④ 客室のカーテンは遮光が弱い。 朝、光で起きます。実際に6:30に起こされました。朝の光に敏感なお子さんなら、アイマスク、洗濯ばさみやクリップでカーテンの隙間を留める、暗くしたい面にバスタオルを吊るといった小細工が効きます。昼寝の時間帯にも同じ問題が出ます(13:30の昼寝がぐずったのは、ほぼこれが原因です)。

⑤ シングルベッドは寄せられない。マットレスは硬め。 ベッドは固定式で、くっつけて添い寝スペースを作ることができません。マットレスもかなり硬め。普段から添い寝の家庭は、和洋室の畳スペースに布団を敷く前提で考えたほうがいいと思います。落下防止の意味でも、そのほうが安心でした。(客室レイアウトは最新情報を公式HPをご確認ください)

⑥ 部屋を「キッズルーム化」してしまうのが正解。 これが我が家の最大の学びです。船内で子どもが飽きるのは避けられないので、客室そのものを、家のいつもの遊び場に作り替えてしまう。お気に入りのおもちゃ、いつものブランケット、いつも読んでいる絵本。それを畳スペースに広げた瞬間、子どもの機嫌が明らかに安定しました。 「船に慣れさせる」より「船の中に、いつもの家をつくる」。これが、21時間を乗り切るいちばんの近道でした。

お気に入りのおもちゃを広げてキッズスペースにした客室
畳スペースにいつものおもちゃを広げる。ここが2日目の主戦場でした

持ち物チェックリスト

子連れフェリーの「持って行くといいもの」

  • 朝ごはんの代わりになる補食(パン・バナナ・おやつ・カップスープ)
  • USB-C → HDMI ケーブル(映像と充電を1本で兼ねられるもの。1.5m以上あると安心)
  • お気に入りのおもちゃ・絵本・ブランケット(部屋をキッズルーム化する装備)
  • カーテンの隙間を留めるクリップ/洗濯ばさみ、大判バスタオル
  • 乗船待ちの車内で使うサンシェード・タオル(外の照明がまぶしい)

よくある質問

何歳くらいから乗りやすいですか?

我が家は1歳児で乗りました。0歳からでもおすすめの交通手段です。歩ける子ならキッズルームや船内散策で時間を使えるので、むしろ過ごしやすいと思います。逆に、生活リズムがきっちり決まっている月齢ほど、深夜出港・夜到着のダイヤの影響を強く受けます。

深夜の出港、子どもは起きていられますか?

我が家は「起きていられなかった」ほうです。22時台のターミナルと乗船待ちが一番の山場でした。正直もう一度トライしてうまくいく自信はありません。

新幹線や飛行機と、車で行くのと、どちらがラクですか?

親の消耗という意味では、フェリーが圧倒的にラクでした。ただし子供中心に考えた時には「就寝時間が2日ぶん崩れる」コストは確実に払うことになります。翌日に予定を詰め込まない前提で組むのがおすすめです。

船内で退屈しませんか?

します。だからこそ、Starlink+HDMIの活用と客室をいつもの遊び場に作り替えることの2つが効きました。

まとめ:ダイヤは手強い。でも、移動は驚くほどラクになる

東京九州フェリーの子連れ旅は、「深夜出港・夜到着というダイヤの手強さ」と「移動が丸ごと休息に変わる快適さ」のトレードオフでした。前者は準備と割り切りである程度いなせますが、後者は他の移動手段では代えがききません。

乗船前後の2日は、寝る時間が崩れる前提で組む。船の中は、家の続きだと思って作り込む。この2つを最初から織り込んでおけば、フェリーは子連れにとってかなり強い選択肢になります。正直に初日の夜はきつかったな——と考えながら、違う航路のフェリーなども、我が家はぜひ乗ってみたいと感じた旅でした。

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